介護保険の対象になるもの・ならないもの
介護用ベッドや車椅子など福祉用具を利用する場合、介護保険を適用することができます。
その福祉用具を「購入」するか「レンタル」するかを選択することで、
その費用負担を1割で済ませられます。
しかし全ての福祉用具に介護保険が適用されるのではなく、また要介護度によっては
対象にならないこともあります。
なお、政府や財務省は社会保障費削減を目的に2018年から要支援1から要介護2までの
「軽度者」を対象に福祉用具販売やレンタルおよび住宅改修について原則自己負担にするなど、
介護保険制度を大幅に見直す予定にしています。
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用具名 | 販売 | レンタル | サービス対象者 | 機能・構造等 | |||||
要支援 | 要介護 | ||||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |||||
車いす (付属含む) |
× | ○ | × ※1 |
× ※1 |
○ | ○ | ○ | ○ | 自走用標準型車いす、普通型電動車いす、 介助用標準型車いす、クッション、 パッド、電動補助装置、テーブル、 ブレーキ等 車いすと一体的に使用されるもの |
介護ベッド (付属品含む) |
× | ○ | × ※1 |
× ※1 |
○ | ○ | ○ | ○ | 床板の高さや背部または脚部の傾斜角度を 自由に調節できるもの、サイドレール、 マットレス、ベッド用手すり、 テーブル等 ベッドと一体的に使用されるもの |
床ずれ防止用具 | × | ○ | × ※1 |
× ※1 |
○ | ○ | ○ | ○ | エアマット、ウォータースライダーマット |
体位変換器 | × | ○ | × ※1 |
× ※1 |
○ | ○ | ○ | ○ | テコなどの動力を用いて、 寝たきりの利用者の 体位変換を楽に行うもの |
手すり | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 取付け工事を伴わないもの |
スロープ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 段差解消用、取付け工事を伴わないもの |
歩行器 | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 車輪付きの場合は体の前および左右を囲む 把手等を有するもの、 四脚の場合は上肢で 保持して移動させることが可能なもの、 自動制御等機能付歩行器 |
歩行補助つえ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 松葉杖、カナディアン・クラッチ、 ロフストランド・クラッチ、 プラットホーム・クランチ および多点杖 |
認知症老人徘徊 感知機器 |
× | ○ | × ※1 |
× ※1 |
○ | ○ | ○ | ○ | 認知症の方が屋外へ出ようとした時など、 センサーにより感知し、家族や隣人へ 通報するもの |
移動用リフト (つり具部分除く) |
× | ○ | × ※1 |
× ※1 |
○ | ○ | ○ | ○ | 床走行式、固定式、措置式、 取付けに住宅改修を伴わないもの |
移動用リフトの つり具部分 |
○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | つり具部分のみ |
自動排泄処理装置 | × | ○ | × ※2 |
× ※2 |
× ※2 |
× ※2 |
○ | ○ | 尿または便が自動的に吸引されるもの ただし排便機能を有するものは 要介護4・5のみ対象 |
自動排泄処理装置の 交換可能部品 |
○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 自動排泄処理装置の交換可能部品のうち、 居宅要介護者または介護者が容易に 交換できるもの |
腰掛便座 | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 和式便器の上において 腰掛式に変更するもの、 洋式便器の上に置いて高さを補うもの、 電動式またはスプリング式で便座から 立ち上がる際に補助できる機能を 有するもの、ポータブルトイレ |
入浴補助用具 | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、 入浴台、よく室内すのこ、 浴槽内すのこ、入浴用介助ベルト |
簡易浴槽 | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 空気式または折畳み式等で容易に 移動できるもの、 取水または排水のために 工事を伴わないもの |
※1 車いす(付属品含む)、介護ベッド、床ずれ防止用具、体位変換器、認知症老人徘徊感知機、移動用リフトの利用は、
軽度者(要支援1・2、要介護1)の方は原則認められていませんでしたが、一定の条件に該当する方は、例外的に利用が
認められます。
用具名 | 機能・構造等 |
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車いす(付属品含む) | 日常的に歩行が困難な人(要介護認定時の基本調査で歩行ができないとされた人)、 日常生活範囲における移動の支援が特に必要と認められる人 |
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介護ベッド(付属品含む) | 日常的に起き上がりや寝返りが困難な人(要介護認定時の基本調査で 起き上がりまたは寝返りができないとされた人) |
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床ずれ防止用具および 体位変換器 |
日常的に寝返りが困難な人(要介護認定時の基本調査で寝返りができないとされた人) |
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認知症老人徘徊感知機器 | 意思の伝達、介護者への反応、記憶・理解のいずれかに支障がある人 (要介護認定時の基本調査でそれらができないとされた人)かつ、移動において全介助を 必要としない人(要介護認定時の基本調査で移動が「全介助」以外とされた人) |
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移動用リフト (つり具の部分除く) |
日常的に立ち上がりが困難な人(要介護認定時の基本調査で立ち上がりができないとされた人)、 移乗が一部介助又は全介助を必要とする人(要介護認定時の基本調査で移乗が「一部介助」又は 「全介助」とされた人)、生活環境において段差の解消が必要と認められる人 |
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※2 自動排泄処理装置(排便機能を有するもの)の利用は、要支援1・2、要介護1~3の方は原則認められていませんでしたが、
一定の条件に該当する方は、例外的に利用が認められます。
介護用品の自己負担額と限度額について
購入の場合、介護保険の対象となる限度額は1年間に10万円までで、年度(4月から翌年3月)が変わると更新され、
次の年度でまた10万円までの福祉用具を購入することが可能になります。
介護保険を適用した場合の自己負担額は1割となり、例えば1万円のものなら1,000円で購入が可能ということになります。
※一定以上の所得のある方は2割負担となります。また限度額を超えた部分は全額自己負担となります。
なお、福祉用具は指定を受けた事業者から購入した場合に限り保険給付の対象になります。
福祉用具の購入について
一部用具につきましては、メーカーより福祉用具をお届けし、組み立てもメーカー担当者が行います。
介護保険を使用する場合は、まず利用者が全額を支払って購入し、あとで市町村へ申請し払い戻しします。
なお、基本的には同一種目商品の購入はできません。
ただし、用途及び機能が異なる場合、破損した場合、介護の程度が著しく重なった場合、再度購入が可能となる場合があります。
福祉用具のレンタルの流れ
① ご相談・お問い合わせ
福祉用具専門相談員が福祉用具のご相談・お問い合わせに対応いたします。
介護保険にてレンタルサービスをご利用される場合は、市町村や地域包括支援センターなどをご紹介いたしますので、
居宅介護支援事業者(ケアマネージャー)に介護サービス計画(ケアプラン)の作成をご利用ください。
② 介護福祉用具選定
専門スタッフがお客様の状況をもとに、最適な福祉用具をご提案します。
料金や仕組みも納得した上で、お客様自身で選定ください。
③ お申込
納品場所や納品日時などをご相談の上、お申込いただきます。
④ 納品・商品説明メーカーより福祉用具をお届けし、組み立てもメーカー担当者が行い、丁寧に使い方を説明します。
また利用者ご本人による練習も行っていただきます。
- ご契約納品した福祉用具の確認をしていただいたのち、ご契約内容のご説明をいたします。
ご了承いただけましたら、ご契約書とレンタル料を自動口座引落にてお支払いいただくための預金振替依頼書に
ご署名・ご捺印をいただきます。 - アフターサービス使用状況を定期的にお伺いします。
契約は1ヶ月単位なので、お体の状況に合わなくなった場合は取りかえることが可能です。
もちろん故障などの際にはご連絡ください。
すみやかに対応いたします。 - 解約・お引取りレンタル期間が終了しましたら、日時の打ち合わせの後、メーカーが引き上げに伺います。
- 消毒/点検/洗浄/保管安心してご利用いただくために、引き取った福祉用具は消毒をし、点検やメンテナンス・補修を行います。
新たなご利用まで、万全な体制で保管します。
弊社ではまずお電話で内容をお伺いし、ご自宅に訪問させていただきます。
お客様のご要望を確認の上、一番良いと思われる商品・サービスをご提案させていただきます。
弊社の定期点検
★ 点検
介護保険でレンタルしていただいた福祉用具は3~6ヵ月以内に定期的に点検を実施しています。
きめ細かい点検で異常がないのか確認し、異常があればすぐに新しい物と取り替えます。
★ マットレス交換
介護保険でレンタルしていただいたマットレスは6ヵ月に一度の目安で交換させていただきます。
※交換の希望を伺いますので、6ヵ月で強制交換ではございません。
使用するにつれマットレスが弱ったり、汚れが目立ち、衛生的にも悪い場合がございますので交換をお勧めします。
Q&A
Q1、福祉用具は誰でも借りられますか?
A、介護保険で借りるためには介護認定を受けて頂く必要があります。
お住まいの市役所の高齢者福祉課で介護認定の申請をします。
Q2、どの福祉用具を借りたらいいのかわかりません。
A、ご利用者の生活環境やお身体の状況に合った用具選びが必要です。
福祉用具専門相談員が訪問してお話を伺い、使い比べながら一緒に選ばせていただきます。
お試しで使用されることも可能です。
Q3、入院することになったのですがベッドや車いすは返却しなければいけませんか?
A、短期間の入院の際には最大3ケ月間は返却は不要です。
入院時に利用休止とし退院後に利用再開とさせていただきます。
Q4、介護用ベッドはマットレスの上には何を敷けばいいですか?
A、ベッドパッドを敷くかシーツを敷くことをお勧めしています。
失禁等が心配な場合は防水シーツもご使用ください。
Q5、ベッドをレンタルする際に、今あるベッドを処分してもらえますか?
A、処分することは可能です。
ただし、処分料金がかかりますので事前にお問い合わせ下さい。
Q6、介護認定の申請を行っていないのですが、レンタルはできますか?
A、一般レンタル(全額自己負担)として、レンタルは可能です。
介護保険(レンタル料金の1割または2割が自己負担)を利用する場合は、まずはお住まいの市町村窓口に介護認定の申請を行ってください。
Q7、レンタルのメリットは何ですか?
A、ご利用者の心身の状態に合わせて、必要な福祉用具を必要な期間ご利用になれます。
また購入とは異なり、レンタル期間中に故障しても無料で同じ物と交換できるので安心です。
Q8、他人が使用した商品を使用することに抵抗があるのですが?
A、引き上げた福祉用具は、速やかに洗浄・消毒を行います。
そして、洗浄・消毒・点検を終えた福祉用具は、水やほこりが入らないようにビニールに梱包し大切に保管されていますのでご安心下さい。
Q9、レンタルした商品が故障してしまった場合、どうなりますか?
A、ケアマネージャーまたは弊社へ速やかにご連絡ください。迅速に対応いたします。
例えば、歩行器が故障した場合、直ちに商品を無償交換いたします。
但し、説明に反した使用により故障・破損が発生した場合は、契約者が修理・交換に伴う費用を支払うことになります。
Q10、介護保険で購入した商品が破損した場合、どうなりますか?
A、ケアマネージャーまたは弊社へ速やかにご連絡ください。迅速に対応いたします。
購入した用具が破損した場合、または、介護の必要性が著しく高くなった場合、
その他特別の事情があると市町村が認める場合については、同一の用具の購入に対しても居宅介護福祉用具購入費が支給されます。
但し、原則は4月から翌年3月までの1年間で10万円が限度となっているほか、同一の用具を複数回購入する場合も、
居宅介護福祉用具購入費の支給対象になりません。
Q11、購入前に試すことは可能ですか?
A、販売の商品については、弊社では一部ではありますがシャワーチェアや入浴グリップ、浴槽台などは試しで使うことが可能になっております。
Q12、レンタルした商品が気に入らなかったので、引き取って他の商品に変えてもらえますか?
A、デモ期間中の商品であれば、無料で何回でも交換いたします。
契約していただいている商品についても、まず新しい商品をデモで使っていただき、
それで良ければ新しい商品でレンタル契約していただきます。
Q13、現在、入院している高齢者がまもなく退院する予定ですが、住宅改修を行うことはできますか?
A、退院が決定し、あらかじめ改修を行うことで在宅復帰後の生活がスムーズに行える場合は、
事前に市町村に確認したうえで住宅改修を行い、退院後に住宅改修費の支給を申請することは可能です。
ただし、退院が出来なかった場合は申請できません。
Q14、身体に麻痺があることから、現在の洋式便器の便座に座れないので、
洋式便器の向きを変える工事は、介護保険の対象工事として認められていますか?
A、「洋式便器等への便器の取替え」に該当します。
Q15、扉に付属する敷居を段差解消のため取り替えることに伴い、
今ある扉を別のものに新調しなければならない場合、扉の費用は保険給付の対象となりますか?
A、保険給付の対象になりませんが、扉の様式を引き戸または折れ戸、アコーディオン扉に変更する場合は扉の費用は保険給付の対象になります。
Q16、賃貸住宅の場合、退去時に現状回復のための費用は住宅改修の支給対象となりますか?
A、住宅改修の支給対象とはなりません。
Q17、以前、設置した手すりが古くなったので、それを撤去して新しい手すりを設置する場合は、
介護保険給付の対象となりますか?
A、単に老朽化だけの理由では、介護保険給付の対象にはなりません。
老朽化の為に使用に耐えられないことや、利用者の支障になっているといった理由が必要です。
Q18、息子の家に一時的に住んでいる場合、介護保険を利用した住宅改修を行うことはできますか?
A、介護保険を利用した住宅改修は、介護保険証に記載されている住所地のみが対象となります。
息子さんの家に住民票を移していなければ、介護保険を使った住宅改修は行えません。
Q19、介護保険を利用した住宅改修には、回数の制限がありますか?
A、回数の制限はありません。
利用者一人、現住所につき、20万までとなります。20万円の給付上限額が決まっているだけで、
2万円の工事が10回でも、10万円の工事が2回でも良いことになっています。
但し、介護度が3段階上がった場合は、介護度が上がる前に保険給付の20万を使い切っていても、
もう一度20万が保険給付で使えるようになります。
Q20、介護保険を利用した住宅改修の費用が25万円になりますが、自己負担額はいくらになりますか?
A、回数の制限はありません。
介護保険給付があるのは、上限の20万円の内の9割の18万円までなので、1割負担の場合は残りの7万円が自己負担額になります。